"GIFT" フォーマットのインポート GIFTは、Moodleのテスト・クイズ問題をテキストからインポートするフォーマットとして、 幅広く利用できるものです。GIFTにおいては、多肢選択問題、正誤選択問題(○×問題)、 記述問題、組み合わせ問題や数値問題を利用することができます。また各問題の中で、 穴埋め式のフォーマットを利用することができます。1つのテキストファイルの中で、 複数の問題形式を用いることもできます。さらにこのフォーマットにおいては、 問題に関するコメント・メモや各問題のタイトルを加えたり、解答に対するフィードバックを行ったり、 解答に対して部分得点(%)を設定することもできます。 テキストファイルを作成する時のエンコーディングは、各自のムードルで使用しているもの と同じである必要があります。テスト・クイズのテキストファイルの例は、 gift/examples.txt で見ることができます。 問題形式多肢選択問題(と一般の説明): Who's buried in Grant's tomb?{~Grant ~Jefferson =no one} 作成する問題の中で穴埋め式を用いる時は、文章中の空欄の部分(解答部分)に自動的に下線が引かれます(このような_____下線です)。 穴埋め式を使用するためには、解答が埋め込まれる部分(下線を引きたい部分)に解答部分を設定し、答えを記入して下さい。 Grant is {~buried =entombed ~living} in Grant's tomb. 文章の中に解答を挿入するような形の問題の場合には、この穴埋め式を用いて下線を作成することができます。 どの問題形式で問題を作成するでも、穴埋め式を用いることができます。 問題項目と問題項目の間は、一行空ける必要があります(2回改行を押す)。 各問題項目の選択肢にはそれぞれ一行ずつ用い、またそれらをインデントして表示をすると、 整ったフォーマットになります。下の例を見て下さい。 The American holiday of Thanksgiving is celebrated on the { ~second ~third =fourth } Thursday of November. Japanese characters originally came from what country? { ~India =China ~Korea ~Egypt} 記述問題: Who's buried in Grant's tomb?{=no one =nobody} Two plus two equals {=four =4}. 記述問題への解答として、正解が1つしかない場合は、 (=)記号を付けずにそのまま答えを書くこともできますが、 正誤選択問題(○×問題)と混乱しないように気をつける必要があります。 正誤選択問題(○×問題):: Grant is buried in Grant's tomb.{F} The sun rises in the east.{T} 組み合わせ式問題: Matching Question. { =subquestion1 -> subanswer1 =subquestion2 -> subanswer2 =subquestion3 -> subanswer3 } Match the following countries with their corresponding capitals. { =Canada -> Ottawa =Italy -> Rome =Japan -> Tokyo =India -> New Delhi } M組み合わせ問題では、解答へのフィードバックや部分得点の設定のオプションはありません。 数値式問題: When was Ulysses S. Grant born? {#1822} What is the value of pi (to 3 decimal places)? {#3.1415:0.0005}. また、数値式問題の解答は、{#最小値..最大値} と範囲を設定して書くこともできます。 What is the value of pi (to 3 decimal places)? {#3.141..3.142}. ムードルのブラウザーのインターフェイスでは、数値式問題で複数の解答を持つことをサポートしていませんが、 ムードルのコードやGIFTではそうすることが可能です。ここでは複数の数値の範囲を設定でき、 部分得点の設定なども行うことができます。数値式問題で複数の解答を用いる時は、記述式の問題のように(=)記号で区別します。 When was Ulysses S. Grant born? {# =1822:0 =%50%1822:2} ここで注意なければならないのは、ムードルのブラウザーが数値式問題の複数の解答をサポートしていないので、 これらをムードルを通して見たり編集したりすることができない点です。 複数の数値の解答のある問題を変更する唯一の方法は、 問題を削除してから再度インポートする(もしくは、phpMyAdmin等を利用する)ことです。 OPTIONS オプションGIFTのフィルターでは、これまで説明してきた基本的な問題形式に加え、 コメント・メモを加える、問題のタイトルを設定する、解答へのフィードバックを設定する、 部分得点を設定する等のオプションを利用することもできます。 コメント・メモを加える: // Subheading: Numerical questions below What's 2 plus 2? {#4} 問題のタイトルを設定する ::Kanji Origins::Japanese characters originally came from what country? {=China} ::Thanksgiving Date::The American holiday of Thanksgiving is celebrated on the {~second ~third =fourth} Thursday of November. 問題のタイトルが設定されていない場合、ディフォルトとして問題文全体がタイトルとして用いられます。 解答へのフィードバックを設定する What's the answer to this multiple-choice question?{ ~wrong answer#feedback comment on the wrong answer ~another wrong answer#feedback comment on this wrong answer =right answer#Very good!} Who's buried in Grant's tomb?{ =no one#excellent answer! =nobody#excellent answer!} Grant is buried in Grant's tomb.{FALSE#No one is buried in Grant's tomb.} 多肢選択問題では、生徒が選択した選択肢へのフィードバックのみが表示されます。 記述問題では、生徒が正しい答えを記入した時のみフィードバックが表示されます。 正誤選択問題では、生徒が間違った時にフィードバックが表示されます。 従って、上記の最後の例では、生徒・学生が「正しい」と答えた時にフィードバックが表示されることになります。 部分得点を設定する Difficult question.{~wrong answer ~%50%half credit answer =full credit answer} ::Jesus' hometown::Jesus Christ was from { ~Jerusalem#This was an important city, but the wrong answer. ~%25%Bethlehem#He was born here, but not raised here. ~%50%Galilee#You need to be more specific. =Nazareth#Yes! That's right!}. ::Jesus' hometown:: Jesus Christ was from { =Nazareth#Yes! That's right! =%75%Nazereth#Right, but misspelled. =%25%Bethlehem#He was born here, but not raised here.} 上記の最後の2つの例は、基本的に同じ問題ですが、1つ目は多肢選択問題であり、2つ目は記述問題になっています。 ブラウザーからは見ることができない形で、部分得点の設定をすることが可能です。 そのような場合は、インポートした時に設定されている数値によって得点が計算されますが、 テストを受けている生徒・学生には普通にしか見えません。 しかし、そのような形で部分得点を設定した場合、教師がムードルによって問題の編集などを行う時に正しく表示されません。 プルダウンメニューは特定の値しか表示しないため、それらの値に部分得点の設定が一致していない場合は正しく表示されません。 ブラウザーのインターフェイスを使って問題の編集をする場合、部分得点の設定は、ブラウザーに表示されているものに変更されます。 複数解答: What two people are entombed in Grant's tomb? { ~No one ~%50%Grant ~%50%Grant's wife ~Grant's father } 上の例の場合に、(=)がどの項目にも用いられていない点と全項目の得点の合計が100%以下になっている点に注意して下さい。 そうではない場合は、Moodleは、エラーとして扱います。生徒・学生が、全項目選ぶことで100%を得ることがないように、 誤っている解答の項目にはマイナスを付けて-50%を設定しておくと良いでしょう。 What two people are entombed in Grant's tomb? { ~%-50%No one ~%50%Grant ~%50%Grant's wife ~%-50%Grant's father } 特別な記号 ~ = { } : Which answer equals 5? { ~= 2 + 2 == 2 + 3 ~= 2 + 4 } これらの答えは = 2 + 2、= 2 + 3、= 2 + 4として表示します。 この方法を利用して、HTMLコードをコードとして表示することも可能となります。 以下のリストはこれらのコントロール記号のHTML Entitiesのコードが記されています。 記号 コード ~ ~ = = { { } } < < > > その他のオプション: その他のオプションは、gift/format.phpのインポートフィルターの編集において入手することができます。 CREDITSこのGIFTのフィルターは、ムードル・コミュニティーの多くの方々の力を合わせて書かれたものです。 始めは穴埋め式フォーマットに基づいたものであり、これはMartin DougiamasやThomas Robb、その他にも 多くの人々によって作成されたコードを用いたものです。Paul Tsuchido Shewは2003年12月に、 コミュニティーからのアドバイスなどを統合し、さらに幅広いフォーマットとして、 このフィルターを作成しました。この「GIFT」という名前は、「General Import Format Technology」の 頭文字をとり名付けられたと思われますが、このようにシンプルなフィルターには、短く「GIFT」で良いと思います。 GIFTドキュメンテーションの著者:Paul Tsuchido Shew http://ac.shew.jp. 日本語訳も同著者。 |